柴犬あきとの生活 124
あきの手術 その2
漸くあきを獣医さんまで迎えに行く時間になりました。少しフライングで早目に移動する私たち。少しぐらい待ってもいいから、早く行ってあげようと話しながら獣医さんを目指します。
「くすのき動物病院」の先生は土曜日にも関わらず、夕方の診療もしていて、患畜もひっきりなし。休みの日には動物愛護団体エンジェルズの活動にも参加されていて、本当に頭が下がります。
迎えに来ましたと受付の人に伝え、待合室で名前が呼ばれるまで待ちます。
漸く声をかけられ、診察室へ。あきに会える!と思って入りましたが、まだでした。
スタッフの方に連れて来ますね、と言われて待つ事しばし。抱っこされたあきが診察室に入って来ました。もう麻酔は切れていて、元気そうです。
「あきちゃん!」
診察台に乗せられた途端、私をめがけて飛びかかり、そのままホールド。すごい力でしがみつき中(笑)
「あきちゃん、よく頑張ったね!」
夫もあきを撫で撫で。あきはしがみついたまま、全く剥がれる気配なし。
「良かったね、あきちゃん。もう大丈夫よ。おうちに帰れるよ!」
ひたすらしがみつくあきを撫でながら、先生と話します。
「手術は上手くいきましたよ」
「ありがとうございます。先生、傷口を舐めないようにカラーは?」
てっきりよく犬猫が傷口を舐めないように首にまく「カラー」をつけられてあきは出て来ると思っていたのですが、全く何もせずそのまま体一つです。
「必要ないです。傷口を二重に縫ってるので、舐めても問題ありません。そのままで大丈夫ですよ」
ちょっと驚きです。
「そうなんですね。後、先生抜糸は・・・」
「1週間後には出来ると思います。遠方から来られてますよね。抜糸の為だけに来てもらうのは大変ですから、ご自身で」
えーっ!!!私がするの?!大丈夫なの?!
「ここをね。プチンと切ってもらえば、小さなハサミで。簡単です」
うーん。。。簡単でもちょっと怖いです。。。ここは、もう掛かりつけの古い付き合いの獣医さんにお願いすることにしようと思います。。。
「傷口、綺麗になってわからなくなりますよ。あと、何かありますか?」
「先生。今、乳歯の生え変わり時期なんですけど、抜ける前に大人の歯が出て来てて」
「犬はみんなそうですよ。乳歯が抜ける前に永久歯が生えて来ます」
「そうなんですか!ホッとしました!」
犬の歯の生え変わり方、あきまで気づかなかったとは!!!先代ナナの時も良くチェックしてたのに、記憶になかった!!
「乳歯と永久歯が重なって生え変わるのが普通です」
やっと謎が解けました。不安も無くなりました。あきは特別ではありませんでした(笑)
化膿止めを貰い、漸く帰れます。その間あきは私にべったりくっついたまま。そうね、怖かったね。寂しかったね。もう大丈夫よ。
助手席に乗せるとシートをクンクン。
いよいよ出発です。またあきは助手席の窓から外を眺めます。顔が疲れて見えます。
行きと違って帰りは、私の左肩にしがみついたままです。
「大丈夫よ。お家に帰るのよ、あき」
いくら声をかけても全く離れる気配無し!ぎゅっとしがみついています。よほどこたえたのでしょう。そりゃそうですよね。
肩に手をかけたまま、ひたすら外を観察中。
徐々に緊張が解けて来たかな?あきちゃん。
結局家までの1時間以上、あきは私にしがみついたままでなかなかの重たさでした。
家に着くと、かなり気を揉んでいたらしい父親が待ち構えていました。出かける時も気にしているようでしたが、かなり心配していたようです。
「ただいま」
「あき!よく頑張ったな!おかえり!!」
すぐに父が駆け寄り、あきを撫でました。
「血液検査もレントゲンも問題無し。元気ですって」
「そうか!良かったな。よしよし、良かった良かった」
父に撫でられてあきも安心したようです。
おかえりの撫で撫でが終わると、早速傷口を気にし始めました。
「あきちゃん、舐めると痛いよ?」
実際じわっと痛いようで、ちょっと考え込んでいます。
でもやはり気になるようで、再び傷口を舐め始めました。
「あきちゃん、痛い痛い。やめて」
父からは舐めて大丈夫なのか?何故何もつけてない?と質問が来ました。先生に伝えられた内容を話します。
「抜糸も自分でやっていいって言われたけど、怖いよね」
「それは怖いだろ」
「だからいつもの先生に連れて行こうと思って。散歩は抜糸までやめようね」
傷口から散歩中にばい菌が入ってはいけないので、散歩は控えることにしました。幸いあきは室内でトイレが出来ます。
傷口が気になって、気になって仕方ないあき。
次第に強く舐めてしまったのでしょう。
「キャン!」
遂に悲鳴をあげました。
「あきちゃん、ほら、痛いでしょ?舐めないの!」
あきは疲れと痛みでぐったりして来ました。家に帰ってホッとした途端色々気が付いたのでしょう。今日はコタツに入ることはなく、ひんやりとした台所のマットの上で寝始めました。
痛みに耐えているようです。可哀想に。。。じっと大人しくしています。
あきが寝返りを打ちました。傷口がよく見えます。
バリカンで毛を刈られています。よく頑張ったね、あきちゃん。すぐにまた毛が生えて来て、傷口が目立たなくなるよ。
傷が痛くて落ち着かないあきを気遣い、父が撫でてあげにやって来ました。
帰って来てから、父はあきの様子をずっと見ています。あきが本当に可愛くて大切なんだとよく分ります。あきも父に撫でてもらうと気が紛れるようです。
しばらく体を冷やした後、あきは自分のハウスに移動しました。
いつもの元気さはなく、ぐったりしています。色々びっくりな事の連続だったのでしょう。
あきちゃん、今日は本当によく頑張ったね。もうこんな痛いことは無いからね。先代ナナは生まれつきの股関節脱臼で子供のうちに避妊手術を入れて4回手術を経験しましたが、幸いあきは健康体ということなので恐らく子供の頃の手術はこの1回で済みそうです。
あきちゃん、ゆっくり休んでね。明日はきっともう少し元気になってるよ。