柴犬あきとの生活 156
花吹雪
休日の午後。そろそろあきの散歩に行こうか、という事になり、二人とも散歩用の服装に着替えに2階に上がります。そんな二人について行きたいのに、階段が怖くて上がってこれないあきは階下で待ちぼうけ。
下からキュンキュン、クンクン鳴いている声が聞こえてきます。
「あきちゃん、何鳴いてるの?」
まだまだ階段を一人で上がる勇気は湧いてこないらしく、私が下りて行くまで階段の下で待っています。
「ワン!」
ああ、吠えてしまいました。
「あきちゃん、何?どうしたの?」
散歩散歩、と言っているのだとわかりつつ、あえての質問です(笑)
『早く散歩!!!』
というあきのリクエストに応えて早速外へ。
美しく咲いた桜はもう散り始めました。
散歩コースの歩道にはたくさんの桜の花びらが落ちています。
でもあきは今日も花より草むら、匂い確認に夢中です。
「あきちゃん、もう桜終わっちゃうね」
と言っても、彼女にわかる筈もなく。。。
「あきちゃん、ほら桜の花びらいっぱい落ちてるでしょ?」
おびただしい桜の花びら。そして風が吹くたび桜吹雪が起こっています。
はらはらと落ちてくる桜の花びらが、あきの背中にのりました。
その花を夫が摘んであきの頭の上へ。
「あ、あきちゃん、花びらついてるよ?」
遊ばれているのに気づいているのかいないのか。
あきは全く気にする様子はありません。
毎年楽しみにしている桜並木の桜はどんどん散っています。
あきが我が家に来て、一緒に散歩をするようになってから以前に増して季節の移ろいを感じるようになりました。
そして最初は散歩を怖がっていたあきは、すっかり散歩好きになり、体格も犬らしくなって来ました。
来年桜の時期を迎える頃にはもうすっかり成犬になっているあき。子犬の時期はあっという間だなぁとちょっと感慨深くなります。
さて、そんなあきの成長は著しく。先日怖がっていた階段を今日は全く怖がらず。
怖がらないどころか、駆け上がっています!!
そしてそんなあきについて行くのに必死な夫!!ハアハア言いながらあきに引っ張られて階段を駆け上がって行きます。
あき、恐るべし!!この子は1度クリアすると、もう次からは怖く無くなるのです。しかも、かなり調子にのる傾向が(笑)
なので今も駆け上がって行きます。
「あきちゃん、早く上りすぎ!!」
本人も流石に熱くなったようで、舌がテロンと出ています。
日に日にあきは体力も増して来ています。最初は15分程度で満足していた散歩も、30分はマストで足りないぐらいになって来ました。
階段を駆け上がる、気になるものがあれば小走りになる、というあきに付き合って漸く家の近くに戻って来ました。
『ちゃんとついて来てる?』
というように背後にいる私を確認。
「あきちゃん、大丈夫よ。ついて来てるから、ほら、前向いて!」
漸く我が家に到着。最初は怖がっていた玄関の門柱、門扉も全く気にすることはなくなりました。
開けてもらうのを待ち、さっさと家に入ります。
鍵待ちのあき。またまた舌が出ています。よく歩いたもんね!
『入っていいの?』
「あきちゃん、入って!」
この後、おとなしく抱っこされて脚をペット用ウェットティッシュで拭いてから家の中へ。
いつものように、台所のマットの上で寝転びます。そんなあきの頭の上には1枚の桜の花びらが。
「あれ?あきちゃん、桜ついて来てるよ?」
来週、みんなで揃って公園に行くときにはもう桜は終わっているでしょう。
美しい桜吹雪を来年も揃って見に行こうね、あきちゃん。