柴犬あきとの生活 57
初めてのピアノ
あきが来てから一度もまだ弾いていませんでしたが、今日からピアノの練習を開始します。
音に敏感なあきはピアノの音にどんな反応をするのかが、ずっと気になっていました。我が家の家族となったからには、ピアノの音には慣れて貰わなければなりません。
私事ですが、学生時代の専攻は音楽教育学で専門はピアノでした。とはいえ全く違った職に就いた為、仕事でピアノを弾いたことはありません。前職は音楽著作権を扱っており音楽に携わってはいましたが、演奏は今や完全に趣味の域です。
そして毎年4月に発表会(お稽古事ではなく、恩師の発表会に毎年出させてもらっています)があり、我が家の家族はもれなく「ピアノの練習時には我慢する」と言う掟があるのです!(そんな掟が!!!笑)
今年はプーランクとドビュッシーに決め、いよいよ練習開始です。
先代ナナはピアノを弾くとピアノの真下でスヤスヤと眠っていました。声楽の練習が始まると手に飛びかかって「遊んで、遊んで!」となりましたが、あれはきっと私のひどい歌声に耐えかねてのこと。ピアノの時の穏やかさとは真逆でした。授業があるから仕方なかったのですが。。。
一度ヴァイオリン(初ヴァイオリンでした)を目の前で弾いた時には、あまりの酷さに腰にしがみつき、「やめて、それだけはやめて!!!!」と人間なら悲鳴を上げているであろう必死さで音を出すのを阻止された事があります。私自身酷い音に耐えかねてすぐに弾くのをやめましたが(笑)
さて、あきです。コンポの音、テレビ、口笛などに興味を示すあきは果たして?
ピアノを弾き始めてすぐに私の膝に手をかけて来ました。
どうも、音がどうこうではなく遊んで欲しいようです。
「あきちゃん、ピアノ弾いてるときは遊ばないの」
ああ、今度はおもちゃまで持って来て別方向からアプローチ。
「あきちゃん、大人しくしててね」
うーん。遊ぼう攻撃。でも、練習しますよ。遊びませんよ。
おもちゃを置いてじっと待っています。
「遊ばないの!」
ここで漸く諦めたのか、ピアノから少し離れた場所に移動。良かった良かった。
さあ、練習。
すると・・・・
「キャーン!!!!」
あきの叫び声が背後から!!なになに?どうした?
振り向くと・・・
腰を抜かしたようなあきがいました。
「あきちゃん、どうした!歩ける?立てる?」
急いで自分の尻尾を確認しています。
「あきちゃん、もしかしてイライラして自分の尻尾強く噛みすぎた?」
はぁ。。。思い通りにならなかったら尻尾を追い回す癖が炸裂したようです。
な、なんて恨めしそうな顔!
「あきちゃん、自分でやったんでしょ?私何もしてないよ?」
漸く立ち上がったあきを見て一安心。やはり尻尾を強く噛みすぎただけのようです。足に怪我でもしてたらどうしようかと思ってちょっと心配していました。
まだまだ尻尾が気になるあき。相当噛んだようです。
まだ痛いの?
大丈夫?
『うん、大丈夫』と言うような顔を漸く見せました。
「あきちゃん、お尻尾ちゃん、痛い痛いって言ってるよ。強く噛んだらダメだよ」
おもちゃを持って来ても、尻尾を噛んで騒ぎを起こしても、ピアノの椅子から立ち上がらない私に漸く諦めたのか、あきがピアノの下で座りました。ボールは持って来ましたが置きました。
そうそう。あきちゃん、そこで聞いててね。
我が家の先輩犬はずっと鍵盤の真下が定位置だったよ。
遊びたい盛りのあきにとってはピアノの練習時間は試練のようです。