柴犬あきとの生活 75
今宵も攻防は続く
深夜になりました。そろそろ就寝時間です。夫がお風呂に入ると、私とあきの攻防戦が始まります。あきは眠る時間だとわかっていますが、毎晩なかなかハウスに入ろうとはしません。
「あきちゃん、もうねんねの時間よ」
夫の座椅子を占拠してそっぽを向いています。
「あきちゃん〜ねんね」
いやいや。聞こえてるでしょう。
ところで、この頃からあきの毛が大人の毛に生え変わり、体に柴犬らしいたるみというか、皮が出て来ました。猟犬だけに、戦った時に致命症に至らないよう防御のDNAが成せる技なのかと思います。太ったわけではなく、噛まれても皮のみで身は守る、という体つきへの変化だと思います。
ま、そんなことより今はとにかくハウスに入れねば!
「あきちゃん、分かってるよね。ハウスよ」
「そこはハウス違うの。そこで寝ないの!」
「あきちゃん、あきちゃん分かってるよね?」
すると立ち上がってコタツの向こう側に移動。いつものパターンです。
「ほら、あきちゃん。そこじゃないの。ハウスよ、ハウス!」
あれ?顔が膨らんですよ、あきちゃん。何か文句でも?
なにその顔。すっごい不機嫌!
「あき、ふくれてもダメ!ハウス!」
「ふくれないの!だめよ、ハウス!!」
いやいや。舌ぺろじゃないですよ。まだ顔ふくらんでるし。
「あきちゃん、ハウスよ!」
とここであきが立ち上がりました。
「あきちゃん、賢い!やっぱりあきは賢いな〜」
褒めまくりに切り替えます。
「あきちゃん、賢いね!」
あきはよっこらしょ、とベッドへ。
「あきちゃん、ハウスできたね〜賢い!あきは賢いよ!!」
毎晩この繰り返しで、所要時間は約30分。既に恒例みたいになって来てますが、なんでこうごねて見せるのか。
夫も疑問に思いちょっと調べてくれました。群れで生活する狼はとにかく群れの中に身をおくことが大切で、常に行動を共にしている。その狼の遺伝子を一番強く受け継いだ犬が柴犬ということなので、もしかすると甘えではなく本能的に一人になるのは嫌でくっついていたいのかもしれないとのことでした。なるほど。あきは甘えたは甘えたですが、それだけでもないのかもしれません。でも、もっと早くハウスしてくれるようになればな〜。眠い時間に毎晩このやり取りはとほほです。。。
後追いも凄いし。私がトイレに行く時も追いかけて来て、出てくると大歓迎とか、凄すぎるんです(笑)
あきちゃん、また明日ね。おやすみなさい。