柴犬あきとの生活 148
子供との遭遇、そしてまた・・・
公園は日に日に春へと変化して来ています。
そめいよしのが咲き始めましたが、他の桜も開花しています。
Sちゃんへの猛烈アピールの後、再び公園の歩道を歩いていくと、男の子二人とおばあさんに出会いました。
「あ、犬!!」
弟君の方がまず声をあげました。
「こんにちは」
と声をかけると
「こんにちは!」
と元気よく答えてくれました。幼稚園の年少さんぐらいでしょうか。どうやらあきが触りたいようです。
初めて遭遇した「子供」を見上げるあき。
男の子はあきの頭を触ろうと手を伸ばしました。
上から出された手に怯えるあき。
不意に手が伸びて来たので及び腰になりました。
そして逃げた!
怖い怖い。びっくりしちゃったね、あきちゃん。
「あのね。上から手がくるとびっくりしちゃうから、下から出してあげてくれるかな?」
「下から?」
「そう下から。そうしたら大丈夫だから。ね!」
犬に慣れていない人にありがちなのが、この上から触ろうとして犬をびっくりさせてしまうという事です。犬に挨拶をするときには、下から手を差し出すと基本的にはお友達になれるはずです!
「下から?」
そっと下から手を差し出す男の子。
「そうそう。そう、下から!そうしたら、多分匂いをクンクンって嗅いでくるからちょっとじっとして嗅がしてあげてね」
そしてその手を見つめるあき。
徐々にお互いの距離が縮まって来ます。
あきがじっと手を見つめています。
そして、クンクンしてペロッと手を舐めました。
すると、男の子がキャキャっとはしゃぎながらパッと逃げました。
「ほんとだ!舐めた~!!」
「舐めた?」
「ペロッて舐めた〜っ!!」
嬉しそうです。弟君があきとの交流に成功したので、お兄ちゃんも触りたくて近づいて来ます。
でも急に怖くなって来たようで、あきはあとじさり。
私の後ろに隠れ気味になりました。
どんどん及び腰になるあき。
遂に兄弟に背を向けてしまいました。
「ああ、怖がってるわ。ごめんね~」
「バイバ~イ!!!」
あきに触れて満足そうな男の子たちと手を振って別れます。
あきは未知との遭遇が終わって、ちょっとホッとしたようです。
「あきちゃん、怖かったの?」
あきは早くこの場を離れたい!というようにどんどん歩いて行きます。
嫌だったのかな?と思ったら。何故か立ち止まって子供達を見送るあき。
「あきちゃん、楽しかった?」
再びクンクン探偵になっているあきに連れられて公園を更に移動します。
暫くのち、また先ほどの子供達と遭遇しました。
「あ!また会った!!」
子供達の声が響きます。
「また会ったね!」
ちょっとした土手を登ってくる子供達をあきはじーっと見つめています。
おばあさんが、危ないよ!と声をかけるもよじ登ってくる子供達。
「ここから来たよ!」
「登れたね!」
あきは子供から目が離せません。
おばあさんが土手の下から私に声をかけてこられました。
「すみません。お邪魔して。もう行こうね」
今度は遊べずちょっと心残りのようなあきを残して男の子たちは散歩を再開。
「あきちゃんも行こうか!」
今度は歩いて来た道を戻ります。
このまま行くと、またSちゃんの前を通ってしまうなぁ。。。と思いながら進んでいくと、やはりまたこの展開に。
「あき、また怒られてるよ?」
「あきちゃん、ほら、迷惑だから。Sちゃん怒ってるから!」
すると、あきが振り向いてこっちを向きました。
「あきちゃん?」
『ねえ、抱っこして?』
と言ってるようです。
振り向いた後、あきは二本足でぴょんと飛び上がりました。その後、壁をカリカリ引っ掻きます。ジャンプしてSちゃんに届きたい!と思っているようです。
「もう~~~~あき。仕方ないなぁ。抱っこ?どうしてもSちゃんに会いたいの?」
仕方なく、あきを抱っこして、Sちゃんに近づけます。
「Sちゃん、あきです。よろしくね」
Sちゃんがフェンスから鼻を出してお互いに匂いをクンクン。あれ?もしかして仲良くなれる?と思った瞬間
「ウーッ」
Sちゃんが唸りました。
その後、Sちゃんは起き上がってあきに向かって
「ワンワン!!!」
その瞬間、あきが
「ウーッ!!!ワンワン!!!」
あろうことか、吠え返しました!!!
これにはびっくり!!しかもかなり低い声で唸って見せたのです。
あきちゃん、怖いもの知らず。そして気が強い!!!
「あきちゃん、怒ったらだめ!!!」
この反応に思わず、笑ってしまいました。もう、日々あきにはびっくりさせられています。
「あき、気が強いなぁ。びっくりしたわ」
笑いながら地面に下ろすとまたこのポーズ。
そんなあきに呆れたのか、Sちゃんはあらぬ方向を見てパトロールを再開しました。でもしつこいあきはまだ壁から離れません。
「あきちゃん。もうSちゃんに迷惑だから、ほら行こう!」
漸く諦めて歩き出しました。
今日は、子供に怖がり、先輩犬に唸って吠えて見せたあき。本当にこの子は見ていて飽きません。