柴犬あきとの生活 155
新しい遊び
我が家の廊下には、父が取り付けた歩行補助用バーがあります。今は亡き母の足が弱った時に父が取り付けたものです。
現在このバーはあきの散歩用バッグかけと、父が使う雑巾干しになっています。(ちなみに、私が使う雑巾は天日干しです)
いつも私の後をついて回っているあきの姿が、先ほどからありません。どこにいるのかと思いながら廊下に出てみると・・・
「あきちゃん!何してるの!!」
体が大きくなってバーの雑巾に届くようになったあき。お得意の壁にへばりつく、をして雑巾を取ったようです。
「雑巾取っちゃダメでしょう!」
『なんで?』
首を傾げてこちらを見ました。
「それはあきちゃんのじゃないの。取っちゃダメよ!」
『次はこっちにしようかな』
「あきちゃん、ダーメッ!!!」
怒られたあきは、うるさいな~もう、という感じでスタスタとその場を離れました
向かった先は階段です。
今日も1段目に手をかけて上を見上げるだけのあき。
「どうせ上れないくせに」
そう声をかけると、こんな表情で戻ってきました。
「上れないんでしょ?」
余程2階が気になっているようで、また見上げるあき。今日もまだ上れないようです。
その後、私が目を離している隙に、全ての雑巾を落としてしまいました。
どうやら、「落とす」という遊びのようで、それを持ってくるとか、振り回すということまではしていません。
仕方がないので、今度は全てバーに雑巾をくくりつけます。
「もう取っちゃダメよ!」
『結ばれてる。。。』
諦めたのか、洗面所に移動するあき。
面白いので、ちょっと隠れて見ます。私が居なくなったらどうするのでしょうか?
思った通り、洗面所から出てきました。雑巾を見上げて攻略法を考えているようです。そっと覗くと、あっちからも覗き返してきました。
「あきちゃん、ダメよ。見てるからね!」
『見てるかな~って思ってこっちも警戒してましたよ?』
見られてるのならここにいてても仕方ない、というようにこちらに歩いてきました。
何やら考えています。
そして、やっぱり雑巾が気になるようでUターン。
どうしても雑巾が取りたいようです。
「あき、ダメだからね」
そしてまた洗面所へ。
床をふんふんやっているうちに、何やら拾って口をもぐもぐし始めました。
「あきちゃん!何食べたの!!」
「ほら、アーンしてごらん!」
人間の赤ちゃんと同じで、しょっ中あれこれ口の中に入れるあきは、私に口の中に指を突っ込まれるのに慣れています。口どころか、喉の奥から飲み込んだものを取り出されるのもしょっ中です。
「もう、悪いな~ダメよ!雑巾も、なんだか分からないのを食べちゃうのもダメなの!」
雑巾はダメだな、と思ったあきは再び洗面所へ。今度は洗面所のタオルを見上げ始めました。座っているあきの前の剥がれた壁紙は、いつの間にかあきがめくって噛んだものです。
このじっと見つめる姿。そして考えている雰囲気。何だか嫌な予感が。。。
「あきちゃん、洗面所のタオルはもっとダメ!!」
その後、予想通り私の目を盗んであきは洗面所のタオルを見事床に落下させました。
更に!廊下の結んだ雑巾も全て上手に結び目を解いて制覇しました。
廊下に散乱する雑巾。そしてしれっと眺めているあき。
あきの新しい遊び、スタートです。はぁ。。。。