柴犬あきとの生活 189
初めての長時間一人留守番
ゴールデンウィークも後半。気温も上がってきました。
今日もあきを連れて夫婦二人で散歩に出ます。公園は日に日に鮮やかな緑色になってきています。そして藤棚もかなり茂ってきました。
初夏らしい気候になってきました。元気印のあきも、歩いているだけなのに暑そうです。
今日、実はちょっとした計画があって早目の、しかも長時間散歩をしています。あちこち歩き回っているのであきもバテ気味です。
良い感じで疲れてきました。ふふふ。思惑通りです。
せっかくのゴールデンウィークなので、今日は家族揃って久々に奈良に遊びに行こうということになりました。父と私たち夫婦の3人で、あきが来て以来初めての外出です。
あきが我が家にやってきた2017年12月から、私たちは極力一人でお留守番をするのを避けてきました。今まで、あきが全くの一人で留守番したのはせいぜい1、2時間程度。私が近くのスーパーに買い物に行って帰ってくる程度の時間しか一人留守番をしたことが無かったのです。
「そろそろ一人で留守番できるようにならないと」
「ちゃんと待ってられるかしら」
そう言いながら、あきのケージ(ハウス)のあるリビングを片付けます。あきは一度ケージを飛び越えて出てきたことがありました。今日のお留守番ではケージに入れて鍵をかけて行きますが、屋根がないので飛び越える可能性大です。
彼女はティッシュが好きなので、ティッシュボックス、ゴミ箱を手の届かない場所に移動します。リモコン、書類、その他怪我に繋がりそうなものを全て撤去。
二人揃って物を移動しているので、あきは何かを感じているようでちょっとそわそわしています。ケージの中と念の為リビングに水飲みをセッティング。
あきはほとんど留守番をしたことがないのに、お留守番察知能力が実はかなりあり、既に警戒モードに入っていてちょっとやそっとじゃ捕まらない感じです。どうやってケージに入れるのか。仕方ないので二人で挟み撃ちにして抱っこ回収しました。ごめんね、あきちゃん!
ケージの中から鳴き続けるあきに
「あきちゃん、行ってきます!良い子でね!」
リビングのドアを閉めて、いざ3人で出発!
一路奈良公園へ。GWだけに人でごった返していました。久々に東大寺で大仏さんでも見ようか、と言っていたのですが、びっくりするほどの大行列!甘く見てました(笑)
昔から良く見ている大仏なので、あっさり諦めて南大門の金剛力士像をゆっくり鑑賞。
いつ見ても本当に凄いです。これが人の手で彫られたとは思えない。何でしょう、このバランス感覚。この「阿形像」が運慶快慶の作と言われています。
「いつ見ても凄いね」
と言う私の横で、建築が専門の夫は門の木組みに見とれています。
「像も凄いけど、この門の木組みも凄いな~」
いつもの事ですが、何かを見に行くと建築物チェックが必ず入ります。
たまには3人で出かけるの、楽しいよね!と食事も終えて帰宅した夜。5時間程度の外出になりました。さて、あきはどうしているでしょうか?
ちょっとドキドキしながら玄関のドアを開けると、既にあきの鳴き声が。
「あれ?」
「なんか近くない?」
ドアの側で泣いています。
「これ、絶対ケージ飛び越えたよ」
「やったね」
「やった。絶対に出たね」
そう言って、ドアを開けると、必死の形相のあきが飛び出してきました。
「あきちゃん!ただいま!!」
「キャキャキャン、ヒャヒャヒャーン!!!!」
「あーっ!!!!」
電気をつけると、そこにあったのは粉々になった陶磁器製のフレーム。
「あきちゃん、怪我してない?大丈夫?!!!!!」
一気に真っ青になりました。そこにあったのは、棚の上にあったロートレックの絵を焼き付けた陶磁器製のフレームが粉々に割れたものでした。
急いであきの足を確認して血が出ていないか触って行きます。
「あきちゃん、あきちゃん、じっとして!!」
「あき捕まえてて。片付けるから」
あきは私の腕の中で、寂しかった、怖かった、と訴え続けています。
「ごめんね、あき。お留守番、怖かったね。ごめん、ごめん」
どうやら、怪我はしていないようです。最近体が大きくなったあきが、棚に手をかけて匂いを嗅いでいるうちに、恐らくフレームが落ちてきたのでしょう。
それはそれは、びっくりしたに違いありません。ただでさえ心細いのに、フレームが落ちてきた上に割れてさらにショックだったと推測できます。
室内を見ると、派手に割れた陶器以外はほぼ無傷。賢くお留守番していたようです。本人がケージを飛び越えたことを除いては!
「あきちゃん~もう大丈夫よ。ごめんね。寂しかったね」
夫が割れたフレームを片付けてくれて、ようやくあきが動き回れるようになりました。
「よかった~怪我してなくて」
「本当、賢く待ってたね」
それにして、あきの運動能力恐るべしです。やはりケージを飛び越えてしまいました。飛び越える時に足を引っ掛けて怪我をしなくて本当によかったです。
ひとしきり全員に可愛がられて漸く落ち着きました。
ロートレックのフレームという被害は出ましたが、まあ、それ以外は大丈夫だったところをみると5時間ぐらいの留守番は出来ると確信した夜。ケージを飛び越えるのは危ないので、今度からは最初からリビングを歩き回れるようにしておくほうが良さそうです。
「あきちゃん、今日は偉かったね。お留守番できたね!」
というものの、帰宅後の大騒ぎは物凄く。独立心の欠片も感じられない、我が家の柴犬。どうしてこんなに寂しがり屋なのか。
もう少し大人になったら「独立心」が出てくると良いね。でもそうすると今度は私たちが寂しくなっちゃうのかしらね、あきちゃん。