uretano雑記帳 その9
声をかけられやすい人
(この画像は本文とは全く関係ありませんがのとじま水族館のあざらしでお気に入りの1枚です)
私は結構な方向音痴である。地下鉄から下り地上に出てプリントした地図を持っていたとする。もうこの時点で、東西南北はさっぱりで、地図をどう持てば正しいのかが分からない。
しかし、何故だか知らないが一時期私はよく道を聞かれていた。職場の近くでのことなので、土地勘がありそうに見えたのかもしれない。しかし、私の方向音痴を知っている同僚は、「なんて無謀な」と失礼なことを言っていた。
声がかけやすい人に見えるということもあったのだろう。昔、お寺の入り口で家族写真を撮っていたら、お願いできますか?と他の人から頼まれ快諾。ところが、その後何故かシャッターを押して欲しい人が列を作り始め、動けなくなってしまった。結局母が私を回収しに来て無事境内にたどり着いた。
「シャッターを押して欲しい」は日常茶飯事で、自宅近くの人の往来が多い駅前ケンタッキーフライドチキンの前で、サンタバージョンカーネルサンダースと3ショットを撮りたい女子高生二人組に頼まれた時には、若干こちらの方が恥ずかしかったのを覚えている。
とはいえ、これは日本国内の事なのでまだ良しとしよう。
謎は、海外でも道を尋ねられる事だ。ロンドンのレスタースクエアーを歩いていたら、イギリス人カップルに
「チャイナタウンはどこですか?」
と尋ねられた。とりあえず知っていたので、道案内をしたのだが、隣に居た友達からは
「どこから見ても観光客なのに!しかも答えてるし!!」
と言われた。まあ、アジア系の人に聞けばチャイナタウンだからわかるだろうというざっくりした考えで聞かれたのかもしれない。でも、どう見ても観光客なのに。。。
これまたロンドンでテートギャラリーを目指して歩いていると、地元の小学生たちに声をかけられた。
「テートに行きたいんだけど、この道であってる?」
「あってると思うよ。多分」
「多分って!!」
「私も初めてテートに行くの。こっちだよ多分」
小学生よ。どう見ても、私は観光客だと思わないかい?
シャッターを押して欲しいというのも勿論多い。
イタリアではミケランジェロ広場で、どこの国の人たちだかよくわからない東欧系(推測)のマダムたちに
「写真撮って!!」(推測)
と、よく分からない言語で語りかけながらカメラを渡された。
友達が身振り手振りで
「こっちの景色を入れるの?」(日本語)
と聞くと思いっきりにこやかに激しく頷くマダム。さらに友達が
「荷物持ってましょうか?」(日本語)
と言って手を差し出すと、何と荷物を預けた!友達もマダムも凄いぞ!!!こんな短時間で信頼関係を築いている!!と驚きながら急いでシャッターを押した。
満面の笑みでお礼を言うマダムたちと最後までお互いの母国語でやりとりをして別れたのは良い思い出である。
ロンドンのピカデリーサーカスでは、田舎から出て来た風な青年から
「あの・・・エロスの像と僕を入れて写真撮ってくれませんか?」
とカメラを渡された。どこから見ても安全そうな人に見えたに違いない。快諾するととても喜ばれた。
ところが、どうやら「類は友を呼ぶ」で私の友達にも同じ現象が起こっていた。
NYを友達と歩いていたら、アメリカ人らしき女性から
「ブルーミングデールズ(デパート)はどこからしら?」
と声をかけられた。
「ごめんなさい。私たち観光客なので分からないわ」
とすぐさま返していた。ほぅ。。。やっぱりここにも地元民らしき人から道を尋ねられる人発見!
そしてまた別の友達からはこんな話が出て来た。彼女はフランス語ができるのだが、パリに滞在中こんなことがあったらしい。
「パリを歩いてたらね、向こうから女性が歩いて来たの。なんか声をかけられそうだなって思ってたら、やっぱり質問して来て」
フランス語で聞かれてフランス語で返せるのは流石だと思いながら話しに耳を傾ける。
「その女性がね『ねえ。あのスーパーにまだ牛乳残ってた?』だって」
まあ凄い!私と聞かれる内容のレベルが違う!!!
上には上がいると思った瞬間だった。