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uretano雑記帳 その10

白黒テレビの思い出

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(本文と何の関係もないパリの鳩ですがグレーなので白黒の話に無理やりこじつけて見ました)

昨年、新しいテレビとスピーカーを購入した。映画&ドラマ好きな私たち夫婦は、4KテレビとBOSEのスピーカー、そして快適なソファーを購入して、ホームシアターを楽しむと言う計画を以前から持っていた。

思い描いていた通り、この3セットはすこぶる快適で、週末家で映画やドラマを見て過ごすことが多くなった。

 

4Kテレビは、暗闇のシーンがはっきり見えるし、BOSEのスピーカーはシアター感を出してくれている。Amazonプライム・ビデオやWOWOWで充実した映像生活なのだが、そこでふと思い出したのが幼き日の白黒テレビである。

 

最初に言っておく。私は白黒テレビの時代の人間ではない。断じてない。なのに、私の記憶では4歳まで我が家のテレビは白黒だった!!!

それが当時既にどれぐらい珍しかったのか、このエピソードをお伝えしておこう。母から聞いた話である。

NHKの受信料はその昔、白黒とカラーでは違っていたそうだ。勿論白黒の方が安かった。NHKの集金の人が、我が家にやって来て母と押し問答になったらしい。

「そんな、今時白黒なんてあるわけないんですよ、奥さん!」

「いえ、うちは白黒テレビなんです!」

「そんな、今時そんな家ありませんよ!」

「本当なんです。じゃあ、見てみればいいじゃないですか!」

そして家に入ってテレビを確認。

「ほ、本当だ・・・白黒だ。。。まだあったんだ。。。。」

と言うやりとりの末、NHKの方は受信料白黒分で納得して去って行ったらしい。

 

さて、そんな家に育った私。幼稚園から帰ると当時再放送をしていたアニメ「ふしぎなメルモ」を見ていていつも疑問に思っていたことがあった。それはメルモちゃんの歌にもある「青いキャンディーと赤いキャンディー」が分からない!!!!と言うことだった。青?赤?私の家のテレビでは全部グレーなんだけど!!!

 

同じマンションの友達の家に行ってカラーテレビで見て、初めて「あ!赤い!!あ!青い!!と感動したのを覚えている。

 

我が家のテレビはいつからカラーになったのか。それはおそらく5歳ぐらいの頃だったと思う。これまた幼稚園から帰ると再放送をしていたハイジのとろけるチーズは黄色だった記憶があるし、ヨーゼフもちゃんと茶色と白だった。

なぜ我が家は白黒テレビだったのか。今だにその謎は解けていないが、恐らくただ単に白黒テレビが壊れなかったからとか、そんなところだろう。

 

ところで、私と白黒テレビは5歳でお別れできたわけではなかった。夏休みになると、母に連れられて滞在していた母の実家には、私が小学生になってもまだ白黒テレビがご健在だった。

祖母曰く、「カラーは目が疲れるから嫌いだよ」と言うわけで、祖母のメインテレビは白黒テレビ。叔父のテレビはカラーだった。そして私はまたしても白黒テレビを見ることになった。

夏休みだけに、テレビでは怪奇ものが良く放送されていた。

祖母と一緒に布団に寝転がって、目の前の白黒テレビで怪奇ものの映画を見る。赤い血は全て黒。キャーと言っていても、黒。でも逆にその黒がドクドク出てくる画像はある種不気味で怖かったのを覚えている。

それにしても、祖母は物持ちが良かったのだろう。随分と長い間白黒テレビ愛好者だった。

 

自らの「メルモちゃん」体験から考えるに、白黒からカラーテレビへの移行は、コンテンツの内容に大きな影響を及ぼしたと思う。白黒テレビの時代には、戦隊モノは成立しなかったに違いない。ゴレンジャーの「赤、青、緑、黄、桃」レンジャーはカラーテレビでないと成立しない。

 

そして今、その画質は更に進化し、今まで見えなかったものまで映し出している。野生のチンパンジーの映像を最新のテレビで見ると、彼らの体には虫やらホコリやらが沢山ついているのが見えて、森に住むってこう言うことだなと思わされる。一方特撮ものの映画を明るくて鮮明すぎる画質で見ると、カラクリを暴かれたようになってしまい、チープでオモチャ感のある、映画ではないドラマのような見え方に驚愕と共にがっかりさせられたりもする。

人間の目が耐え得る彩度はどの程度なのだろう。瞬時に脳が処理できる情報量はどれぐらいなのだろう。そう思うことが最近多くなって来た。

 

余白を楽しむ、余韻を楽しむ、自分の想像力で描かれなかったもの、見えないものを埋める。そういう事が我々の生活から日々少なくなって来ているように感じる。

 

白黒テレビだった時、「赤いキャンディー」と「青いキャンディー」の色は分からなかったが、どんな色なんだろうと思って見る楽しみはあった。4歳の私は、白黒テレビに何の不満も疑問も持たず、今日のキャンディーはどっち?今食べたのはどっち?と楽しんで見ていた。

そして、その当時の記憶を辿るとあの白黒テレビがちょっぴり懐かしくなって来るのだ。今映っているこれは一体何色なのかしらと想像して見ていたあの頃が。

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