柴犬あきとの生活 105
なぜ気付かない?
週末の朝、我が家のキッチンではコーヒーメーカーの音が響きます。
豆を挽くミルの音に本日もあきは気を取られています。怖がるとか、怒るとかは全くなく、ただ何の音だろう?という感じでただ見ているのがあきです。この子は眺めてることが本当に多い子です。
コーヒーが出来て朝食の用意ができると我々はこたつに移動。あきもすぐさま加わります。今朝はクッションを持ってきて、投げてと言っています。
「あきちゃん、今からご飯だから。遊ばないよ」
最近、ご飯と言うと『ああ、今は遊んでくれないんだな』と言うのが分かるようになってきました。賢くなってきましたが、その一方で人間の食べ物に対する興味は日に日に増してきているようです。
週末はホームベーカリーで焼いた食パンを食べるのですが、あきはパンくずが落ちていないかチェックしに乗り出してきます。
「あきちゃん、テーブルの上は乗っちゃダメでしょ!」
あきの手を持って下に下ろしますが、またあっという間にこの状態に。
「あき、ダメよ!テーブルからおりなさい!!」
あきには我が家に来た時からテーブルに手をかけてはダメ、上の物は食べちゃダメ、と教えていますが、いかんせん簡単に手も顔も届いてしまう高さのこたつ。ちょっと目を離した隙に、私のマグカップから水を飲む、父のコップから緑茶を飲む、色々とやらかしてくれています。でも怒られるのは分かっているので、基本的に見つかるとさっと逃げ出します。
パンくずを拾おうとこたつに近づく度にガードされるあき。繰り返しているうちに諦めたのか、テレビの方に移動。漸く静かに食べられると思いきや・・・
今度は自分のおもちゃ持参でこたつの上へ。
「あきちゃん!遊ばない!今ご飯なの!!」
あきとの攻防を繰り広げる私の横で、夫が朝食を食べ終わりました。
「あき、ほらおいで!」
そういって膝の上に抱っこ。ああああ。甘い。やっぱり甘い!
抱っこされたあきは、待ってましたとばかり、テーブルの上をクンクン。
日頃仕事で家に居ない時間が長い夫は、休日あきを思いっきり可愛がります。あきも当然、平日居ない夫の後を、週末は遊んでくれるよね!遊んでよね!!とばかりずっと追いかけます。
そんな訳で、夫が2階に行っただけで、もう扉の前で待ちの姿勢に。
しばらく待っても降りてこないと、こっちからくるのかも!と場所移動。
リビングの扉の前にスタンバイです。
「あきちゃん、なかなか降りてこないね」
少々キュンキュン鳴きながら、扉の前でおすわりして待ちます。
と、俄かに・・・
大欠伸。待ちくたびれたの?
待っているのに少々飽きて来たみたいで、今度は自分のおもちゃ箱を物色。
「あきちゃん、待ってるんじゃなかったの?」
そこでハッと思い出したかどうかはわかりませんが、再びキッチンの扉の前に移動。
本当に落ち着かない(苦笑)
そしてまたリビングに。あきちゃん、リビングあなたのおもちゃだらけだね。
それでもまだ降りて来ない夫。一体何をしているのやら。
あきは真剣にドアを見つめて居ます。
すると、夫がキッチンのドアから中に入って来て、すとんとこたつに座りました。
えーっ!!
「あきちゃん、あきちゃん!」
「あきちゃん、あきちゃん!」
『何?うるさいなぁ。私、真剣に待ってるんです。邪魔しないでください』
「ねえ、あきちゃん。あっち見てみ?」
仁王立ちみたいになってるあきに声をかけます。
「ほら、あきちゃん、あれ誰かな?」
『えっ?』
『え?え???なんで????もう!!!!!待ってたのに!!!』
脱兎のごとく駆け出すあき。
『もう酷い!!待ってたのに!!!戻ってきてたなんて!!』
激しくあきが夫にアタック!
膝の上に乗っかって激しく喜び中。
それにしてもあきちゃん。
あなた、聴覚も嗅覚も優れた「犬」ですよね?
ずっとあなたドアの前で、こっちかな、あっちかな、いつかな?もう来るかな?ってソワソワ、ソワソワしてましたよね?スタンバイOK!!になってませんでしたっけ?
なのに、何このグダグダ。待って待ってこの結果?
あきちゃん、あなた本当に犬なんですか!?