柴犬あきとの生活 180
リード嫌い
5月が近づきました。いつもの散歩道も桜、木蓮、雪柳からツツジへとバトンタッチをして居ます。
あきは花には相変わらず興味を示さず、木の根元をクンクン。ここを通った犬たちの残した匂いを念入りにチェックしています。
我が家の近くの公園には色々な花が植えられていて、季節ごとに目を楽しませてくれます。ツツジの横を通り抜けると、今度は菖蒲が待っていました。
「あきちゃん、綺麗に咲いてるね!」
と言ったところで、答え無いのは分かってるのですが、思わずあきに話しかけます。
「あき、綺麗に咲いてるよ?見てごらん?」
よほどあちこちの犬がここで用を足したのか、あきは菖蒲に顔を突っ込んで確認中。全く!言葉に反応しません。
漸く菖蒲の中から出てきた頃には、すっかり体温が上がってしまったようで舌が伸びきっていました。
何をそんなに頑張っていたんだか。
さて、今日も広場で駆けっこです。
最近めっきり体力が上がってきたあきは、昼間の運動が足りないと夜の「遊んで」が激しくなってきました。以前から遊んで攻撃は激しいのですが、より夫への絡みが酷く、仕事で疲れた夫が更にダメージを受けると言う現象が(苦笑)巻き起こって追います。
あきの中では「遊び相手=夫」と言う図式が成り立って居るようで、夜、とにかく遊んでもらうのを毎日待ち構えて居るのです。昼間しっかり遊んであげていても、夫が帰宅するまでに彼女はしっかり昼寝をして、帰宅時に備えて体力を回復させて全力でぶつかる!!
さらに、昼間の運動が足りないときには夜挽回してみせる!と言う日々になっています。
そこで私の「あきを疲れさせておく作戦」が必要になって居るのです。
広場に出て、今日も駆けっこ!と思ったら、あきが急にぐるぐる回り始めました。
「あき?」
『この紐嫌い!!!』
「あきちゃん、噛まないの!」
『この紐が邪魔なの!』
走る事よりリードが嫌な方が優っているのか、思いっきり走りたいのにリードが邪魔で急に怒り出したのか。恐らく後者でしょう。
『もう!この紐さえなければ!!』
自分にくっついてくる紐を相手にエキサイト。
まあ、確かに自由に駆け出したいのは分かります。私がリードを持って居る以上、私に合わせた速さでしか走れませんし。言うまでもなく彼女の方が早く走れるわけで。
『もう、ついてこないで!!』
「あきちゃん、紐は取れないの!ダメよ!噛まないの!』
『えい!』
え?飛び上がったよ!!
『もーっ!!!腹がたつ!!!!』
「あきちゃん!!!怒らないの!!!紐は取れないの!!!」
『紐、この紐!!!!紐!!!!この紐が!!!』
こ、怖い。。。この顔!!
「あきちゃん、あきは紐がないとダメなのよ。それは取れないの!」
『だって、自由になりたいんだもん』
「無理!紐は外れません!!」
『紐付きはやだっ!!』
「あきちゃん!」
『切れない!!なんで切れないの!!』
『えい!』
いやいや、あなた、飛び上がっても同じですよ?
ぴょんぴょんしながら一人リードと格闘中。
激しく動きながらもリードを口から離しません。
「あきちゃん、リードは外せません!ダメよ。ほら、走るんでしょ?」
『めっちゃ嫌!この紐ムカつく!!』
『こうしてやる!噛んでやる!』
『ほら、どうだ!参ったか!!』
『しつこい奴め!!』
「あきちゃん!もうやめなさい!!」
「あきちゃん?リードは外せないから諦めなさい。絶対に!!!取らないよ」
まだ跳びはねていますが、漸く口からリードを離しました。
「あき、分かった?」
ちょっと、おさまったようです。
「あきちゃん、あきはリード無しでは歩けないの。分かった?ほら、走るよ?」
走るのが楽しくて仕方なくなってきたいま、あきにとって紐付きの駆けっこはフラストレーションが溜まって居るのでしょう。さて、どうしたものか。自由に走らせてあげたい。でも、公共の場でそれは無理。それに、車が通る場所では安全の確保ができません。
「さ、あきちゃん、走るよ!」
「走れ!!」
あきがダッシュを始めました。
『遅いよ?ほら、早く!』
振り向いてこちらを見ます。
嬉々として走るあき。ああ、あきが満足できるように、自由に走らせてあげたい。
あきと違ってずっとダッシュが出来る訳も無い私は程なくして減速。
それに合わせてあきもやむなく減速。
あきちゃん、ごめんね。あなたの運動能力についていけなくて。でも今日、良いものが届くの!期待しててね!
そしてその夜。「あきを思いっきり走らせてあげよう委員会」(会員2名)が購入を決定した物が届きました。