柴犬あきとの生活 120
日々成長しています
退屈しているあきを連れて、近くの公園に散歩に出ました。
3月に入り、日増しに公園は春めいてきています。
長い間硬い蕾みだった梅が遂に開花しました。
「あきちゃん、あきちゃん。梅が咲いたよ」
春の訪れが嬉しくてあきに声をかけますが、あきは全く知らん顔。ひたすら匂いを嗅いでいます。今日もクンクン探偵出没中です。
梅の花の後は水仙です。春めいてくると一気に花が咲いてきます。
「あきちゃん、これは水仙よ。綺麗に咲いたね~」
無駄だと分かっていても教えておきますよ!あなた、花じゃなくて葉っぱの方に気を取られていますけど!
少し歩くとまた花が咲いていました。これは何の花でしょうか。あきとの組み合わせが可愛いので、ちょっと頑張ってカメラ目線を狙います。
「あきちゃん、あき~こっち向いて!」
ダメ元で声をかけたところ、ちゃんと顔を向けてくれて珍しくうまく画像が撮れました♪ここの公園は花を沢山植えてくれているので、これからが本当に楽しみです。
するとどこからともなく轟音が。みるとヘリコプターが飛んでいます。その音にあきも反応して空を見上げました。
近くで何かあったのでしょうか。バラバラ、バラバラと大きな音を立てて飛んでいます。
「あきちゃん、ヘリコプター飛んでるね。何かあったのかなぁ」
空を見上げて動かないあき。音が気になって仕方ないようです。ヘリの音が遠ざかり、漸く歩き出しました。
クンクン、クンクン匂いを嗅いでいるうちに、段差のある場所に到着。高さは60cmぐらいでしょうか。今までここを降りたことはありません。
恐らく今日もここで折り返して公園の中に戻るだろうと思っていたのですが・・・
あれ?あれあれ?
まるでプールに飛び込むようなこの姿勢。まさか?
あ!あき選手、飛びました!!!
軽やかに着地しています!
「あきちゃん!飛べたね!!!凄いね!!あき!!」
本人は褒められた事より降りた場所の匂い確認の方が大事なようです。
「ねえねえ、あきちゃん。降りられたら上がれたりするのかな?あき、登れる?」
匂い確認中のあきに問いかけます。今降りた段差はコンクリートで固められています。あきの体高より段差の方が明らかに高いのですが、本人は全く躊躇する事なく軽々と飛びました。
「ねえねえ、あきちゃん。ここのんの出来る?」
何を言ってるのか理解したようで、段差を見ています。
すると、あき選手、構えに入りました!
飛んだ!!
見よ!この軽やかな跳躍!!
あっという間に飛び乗りました!!
「あきちゃん、凄いね!!!」
足取りも軽く歩いていきます。
「あきちゃん、あきちゃん凄いよ!あきやっぱり運動能力すごいね!!」
『あんなの、朝飯前ですよ』
『あれぐらいで騒がないでください。さ、散歩を続けますよ?』
考えてみれば、自分のサークルを飛び越えたあきにとって60cm程度の高さはなんて事ないのでしょう。でも、散歩デビューの頃にビクビクあきを思い出すと、格段の進歩です。
再びヘリコプターが戻ってきました。そしてまたあきが気にして空を見上げます。
ただ空を見上げているだけなのですが、なんだか凛々しい。なんだかお姉さんになった気がします。
「あきちゃん、またヘリコプター戻ってきたね」
キリッとした顔でこっちを見るあき。5ヶ月になり、すっかり柴犬らしく、そして随分大きくなりました。巻尾も立派になってきています。頼もしいような、ちょっと寂しいような。
子犬の成長は本当に早いですね。早く大人になって欲しいような、欲しくないような、複雑な心境です。